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コンスピ広報です。

今回は、YOUTUBEのコンスピリート公式チャンネルにて配信させていただきました第37回:不動産経営でQOLを爆上げよう!の内容をお送りしたいと思います。

今回は「今さら聞きにくい改正民法のポイント」を簡単に解説してみたいと思います。

改正された民法について

2020年4月、民法が実に120年ぶりに改正されました。
当時業界的にはよく取り上げられていたものの、施行のタイミング的にコロナ禍が本格的に始まった頃ということもあり、やや周知の度合いが薄いような印象です。

リテラシーの高いオーナーさんであれば、「当たり前でしょ」という話かもしれませんが、普段個別相談などでお話をさせていただくと、「あ、そうなんですか?」という反応も意外と多いため、今回はこの民法改正のうち、不動産オーナーに関わりのある重要箇所についてかんたんに解説してみたいと思います。

民法改正で不動産オーナーへ影響する内容

この民法改正で不動産オーナーへ影響するのは、

①「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ
②設備の一部滅失による賃料減額の取り扱い
③貸主の修繕義務の見直しと「借主の修繕権」の新設
④個人が連帯保証人となる場合、上限額の記載がなければ無効
⑤敷金の返還ルールの明文化

あたりかと思います。

今挙げた以外にも諸々変更点や改めてルールが明文化された
部分も多くありますが、
今回はこの5項目について取り上げてみます。

①「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ

これは、改正以降に売買を経験されている方なら、
文言が変更されていることにお気付きかと思います。

従来民法570条では「瑕疵」、つまり購入物件に関して
通常の注意を払っていても気付けないような
「目に見えないキズ」があった場合、
売主がその責を負うというものでした。

これが、改正民法上では、
「契約の内容に適合しないもの」という表現に変更されました。
従来は法定責任の範疇とされていましたが、
今回の改正で「契約責任」いいかえれば、
「債務不履行」の範疇となりました。

このことで何が変わるかといえば、
契約不適合の対象は、
これまでの「原始的瑕疵」に限らないとされ、
買主は、契約解除・損害賠償請求に加えて
追完請求、代金減額請求も認められるようになっています。

また、買主側の善意・無過失が解除要件ではなくなったという点で
買主保護の色合いが強い変更と言えます。

②設備の一部滅失による賃料減額の取り扱い

従来の民法では、
「賃料の減額を請求することができる」という表現だったものが、
改正後611条では「減額される」というより強い表現に変更されています。

設備の維持・修繕義務を負うオーナーにとっては、これもまた大きな変更と言えます。

ただ、条文は「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、
それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、
賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される」

となっており、
どの程度の減額が妥当かといったことは明言されていません。
日管協の資料の中に、
減額の具体的なガイドラインが示されており、
これが一つの目安になるかと思います。

こちらのガイドラインは
Webにも掲載がありますので、
一度ご確認ください。

③貸主の修繕義務の見直しと「借主の修繕権」の新設

従来の民法606条では、
「賃貸人は、賃貸した建物について入居者の使用に支障のある不具合が生じた場合に、必要な修繕をする義務を負う」

とだけ規定されていました。
つまり、これまでは「入居者側の故意・過失」については
触れられていなかったわけですね。

改正後は、
賃借人の責めに帰すべき事由があり、修繕が必要になった場合には、
オーナー側に修繕義務がないと変更されました。
ただ、実際どの契約書でも「入居者の故意・過失は除く」となっていることが多く、
実情の対して後追いで明文化されたという色合いが強いものです。

また、改正民法607条の2では、
新たに「賃借人の修繕権」が明文化されました。
実際はこれまでの民法下でも判例では認められていたものですが、
改めて明文化されました。

入居者がオーナーに対して修繕の要請をして、
一定期間内に修繕がなされず、
急迫の事情がある場合には、
入居者は自らで必要な修繕ができる、ということです。
また、その費用はオーナー負担となります。

④個人が連帯保証人となる場合、上限額の記載がなければ無効
⑤敷金の返還ルールの明文化

表題そのままの内容ですので、
詳細な説明は省略しますが、
いずれもオーナーにとっては金銭的な制約に関わる規定となります。

改正民法まとめ

改正点の一部をピックアップしただけでも、
結構なボリュームでした。
実務上の取り扱いは管理会社が主となることが
多いものとは思います。

ただ、不動産オーナーをやるうえで
「全く知らない」というのはやはり問題だと思いますので
今からでも賃貸経営業に関わる民法の変更点は
チェックしておいて頂きたいと思います!

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それでは、コンスピ広報でした!

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