子育ては夫婦二人で協力して行いたいと多くの人は考えていますが、男性の育児休暇の取得率は伸び悩んでいます。
もっとも、上場企業の役員が率先して育休をとる例がみられたり、政府が働き方の多様性を推進していたりと、男性も育休を取りやすい環境が少しずつ整えられていることも事実です。
今回は、男性の育休取得についてそのメリットや最新事例・法改正の内容をまとめました。ぜひ育休に関する情報のアップデートにお役立てください。

※前回の続き「男性の育児休暇」についてご紹介します。

 

男性の育休を推進するさまざまな取り組み

厚生労働省では男性の育休を推進する取り組みについて「イクメン企業アワード」を設立して表彰しています(2021年度は法改正のため休止)。
イクメン企業アワード2020から、男性の育休を推進する最新事例をみていきましょう。

イクメンプロジェクト

 

独自の有休制度・育休制度を創設して男性の育休を推進

男性の育児休業を推進する企業には、法定の休業制度を上回る制度を社内規程で定めている例が見られます。
育休制度があってもフルに活用するのは気が引けるものです。
少し手厚い制度を用意して初めて育休制度が浸透するものなのかもしれません。
例えば、積水ハウス株式会社では、対象となる男性従業員全員に、一か月以上の育休制度を推進するとともに、取得可能期間についても、法律の規定を大きく上回る3年間としています。
また、一か月以内の休業は昇級昇格、賞与、退職金の算定に影響しないということを明確にしており、徹底ぶりがうかがわれます。

経営側からの情報発信と育休を取りやすい社内環境

育休取得に理解のある社員は多いものの、上司の理解が得られないというのはよくある状況です。
これは、上司もどこかに育休を取らせることに不安を感じているからかもしれません。
男性の育休取得を推進するには、経営陣からの明確なメッセージと情報発信が不可欠です。
双日株式会社では、部長会議にて「双日のイクボス宣言」に部長が全員賛同を表明し、男性育休への心理的なハードルを取り除いています。
また、課長研修や社内イントラネット、子供が生まれた男性社員へのレターや育児両立ハンドブックの配布などさまざまな方法を駆使して育休を取りやすい社内環境を醸成しています。

育休に関する独自ツールの作成・勉強会の開催

中には、独自のアプリやシステムツールで男性育休に対する社員の関心を高めている企業もあります。
本格的なアプリやシステムは大企業でないと難しいかもしれませんが、エクセルの計算ツールを配布するなどの方策は、中小企業にもマネできる方法です。
江崎グリコ株式会社では、楽しく子育てを行うアプリ「コぺ」によって、パパ・ママ・祖父母の家族みんなが子育てに関われるようにする仕組みを提供しています。
また、生後6か月までに1か月間の有給取得を必須とするとともにオンラインの調乳指導や子育てなどの講座を開催するなど、男性が育児に携わるきっかけを数多く提供しています。
また、株式会社技研製作所では、収入面での不安を軽減するために、育休に関する簡単な給付金シミュレーションツールを作成し、社員に配布しています。育休時に収入がどのように変化するかが簡単な入力でわかるため好評です。

まとめ

令和3年、育児・介護休業法が改正され、令和4年4月より段階的に施行されます。
分割して育児休業を取得しやすくなったり、特に出産直後について育休を取得する期間・期限が緩やかになったりと、今後ますます男性が育休をとりやすい環境になっていくでしょう。
男性の育休は、ワークライフバランスやQOLの改善という面においても大切な要素です。
男性社員の育休を推進することで、社員やその家族だけでなく、企業にとっても良い効果が期待できます。
実際に導入した企業では、社員の業務の見えるかが進み、業務プロセスが改善した例や、管理職・チームリーダーのマネジメントスキル向上につながった例などが見られます。
これを機会に、自分の会社の育休制度はどのようになっているのかを調べてみてはいかがでしょうか。

 


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