前回の「リーシング業務とは」に続き、リーシング会社の選定についてご説明します。

「リース」というと自動車やコピー機を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、不動産賃貸にもリースという言葉が使われます。今回は不動産業界におけるリーシングについてその具体的な業務内容や業者選びのポイントを紹介します。
リーシングの良し悪しは収益性に直結しますので、きちんと押さえておきましょう。

リーシング会社の選定

リーシングの業務内容は多岐にわたり、施設が大規模になればなるほど専門的な知識や経験が必要になってきます。
リーシング業務を担当する会社はさまざまですが一般的にはその施設に関わる不動産会社が担当することが多くなっています。

ビルマネジメント会社

大手不動産会社が所有する商業ビルや商業施設のリーシング業務はビルマネジメント会社が請け負うことが一般的です。
ビルマネジメント会社にはリーシングマネジメント、プロパティマネジメント、ビルマネジメント(建物の補修・保守管理)と3つの部門があり、商業不動産の保守管理を一括して運営しています。

内装・空間デザイン会社

近年では、空間デザイン会社・建築事務所も、その人脈を生かしてリーシング業務を行うことがあります。
リーシング後の内装も併せて請け負うことで、スムーズな店舗設計が可能となりますし、建物全体の雰囲気やコンセプトも統一されるのがメリットです。

不動産会社

リーシング業務における中心的な存在はやはり不動産会社です。
地元密着の不動産会社であれば情報も早いでしょうし、小さなテナントビルのリーシングでも小回りが利くのが魅力的です。
大手不動産会社であれば全国的なネットワークを活用したり、リーシング部署に蓄積された知見をもとに効果的なリーシングを行ったりすることが期待できます。

リーシング会社を選ぶときの注意点

大手企業が運営する商業施設のリーシングは、開発と一体的に行われるためにあまりリーシング会社を選ぶということにはなりにくいでしょう。
しかし、駅前や繁華街などの商業地に立地する商業ビルを経営する際には、リーシング会社を選択しなければなりません。
リーシング会社を選ぶ際にまず重視したいのはテナント募集前のマーケティング能力です。
最近ではビルに特色を持たせていることが多く、一定のコンセプトに従ってテナント募集を企画することも多くなっています。
この調査力と企画力は、テナント入居後の集客力に影響してきます。

また、商業ビルの経営は長期間にわたって行われるために、テナントが退去してしまうこともあるでしょう。その時にもきちんと腰をすえて面倒を見てくれるリーシング会社がいれば心強いですし、賃貸経営も安定します。

リーシング業務は収益性向上のポイントとなる

リーシング業務は賃貸経営の中の一部分でありながら、商業不動産の収益性を左右する重要な業務です。

空室リスクを減らすために機動的なテナント募集を行うことはもちろんですが、立地戦略、顧客戦略、テナントの特性、ビルのコンセプトなどを総合的に考えたリーシングを行うことが大切になってきます。
マーケティング戦略とテナント募集戦略がぴったりとかみ合ったリーシングが実現すれば、入居後も顧客を引き付け、テナントの経営は安定します。
ひいては、安定した賃料収入を得ることができます。

リーシングを依頼する際には、周辺のマーケティングをどのように考えているのか、じっくりと話し合ったうえでリーシング戦略を立案してもらいましょう。

 


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