不動産経営にはリスクがつきものです。安定した不動産経営をおこなうためには、どのようにリスクをコントロールしていくのか、リスク回避の手段にはどのようなものがあるのかについて、事前に知っておくことが必要です。

今回は不動産経営におけるリスクとその回避の方法についてご紹介します。

不動産経営におけるリスクの考え方

不動産経営においてリスクに直面したときに、事後の対策としてできることは限られます。
特に災害によって大きな被害が生じた場合には、事前の対策をいかに講じているかで今後の経営状況が大きく変わってきます。
何かが起こってから対応策を考えるのではなく、事前対策をできるだけ手厚く講じておくことが、安定経営の第一歩といえるでしょう。

それでは、どのようなリスクがあるのか具体的にみていきましょう。

空室リスク

不動産経営の一番のリスクは空室リスクです。毎月の収入に直結するリスクであり、空室率の増加がみられる時には、早急に対応策を検討しなければなりません。
対応策は、空室が増えてきた原因が何かによって異なります。放置しておいて空室率が改善することはほぼありませんので、まずは下記のような原因を疑ってみましょう。

賃料相場の変化

周辺の賃料相場がいつの間にか下がり、退去後の再募集の際には同じ賃料で募集ができなくなっているということがあります。募集中の物件の賃料相場は検索サイト等で調査することが可能ですので、所有物件の賃料と相場にズレがないかチェックすることが必要です。

再開発等による人の流れの変化

隣駅の再開発やダイヤ改正で隣駅が急行停車駅になったなどの理由で、人の流れが変化することがあります。
所有物件が存在するエリアの人気が相対的に下がり、物件の供給過多が顕著になってきます。賃料値下げの競争が始まり、結果的に募集賃料が相場に合わなくなってくるのです。
人の流れが戻ることはあまり期待できませんので、いち早く環境の変化を察知して賃料ダウンやリノベーションなどの対策をとる必要があります。

建物の老朽化

建物の老朽化によって空室が生じやすくなるのは否めません。
しかし、適切な管理やクリーニング、リノベーションによって空室を埋めることは可能です。事前の資金計画で、老朽化に合わせた設備の更新やリノベーション等ができるように余裕資金を蓄えておくことで弾力的な対応が可能となります。

入居者トラブルリスク

入居者トラブルも代表的な不動産経営リスクの一つです。主に管理会社のサポートを受けながら問題を解決していくことになりますが、解決が長引くと空室率の上昇につながります。

事前に対処方法について管理会社と認識を合わせておくことが大切です。

家賃滞納リスク

入居者の信用力低下による家賃の滞納リスクはどの物件にも起こりうるリスクです。
最終的には契約解除の上で退去してもらうことになりますが、その間の賃料回収ができないリスクが残ります。
保証会社の賃料保証やサブリースによってリスク回避が可能ですが、保証料の額が適正かどうかについては吟味する必要があります。

騒音トラブルリスク

学生向けのアパート、マンションであれば夜中に集まっての騒音、ファミリー向けならば子供が走り回ったりしたときの床の騒音などが典型的な騒音トラブルです。

集合住宅であればそれほど珍しいものではありませんので、事前に対応マニュアルを作成するなど対処方法を検討しておくとよいでしょう。オーナーや管理会社がどこまでかかわるのかという点についても、管理会社によって考え方が異なることがあります。これも事前に相互確認しておくべきです。

事故物件リスク

入居者の自殺等によって事故物件になってしまうリスクも否定できません。
事故物件であることについては重要事項で説明する必要があるため、なかなか空室が埋まらないことがあります。時には、家賃の減額しなければならない場合があるかもしれません。

建物修繕リスク

建物修繕に関するリスクは出費が大きくなりがちで、時には事業の存続にかかわるリスクになりえます。
大規模な災害など突発的な理由で建物修繕の必要が生じた場合には、入居者の安全に関わることですので早急な対応が必要です。

そのほか、設備の更新や定期的な建物修繕に関する費用は資金計画に織り込んで、計画的に修繕・更新を行っていくことで修繕リスクが大きくなることを回避できます。

災害等リスク

最近では地震だけではなく、大雨・洪水による被害も多発しています。
河川から離れた都市部であっても内水氾濫の危険性があることから一定の警戒は必要です。

大規模災害に対するリスク回避は、投資前に災害に弱い場所かどうかについて調査することからスタートします。ハザードマップや過去の洪水被害、地盤沈下や地盤の液状化の恐れに関する情報を収集して災害リスクを分析し、投資判断の資料にすべきでしょう。
それでも災害に対する備えは必要ですので、もしもの時のために、損害保険を付保しておくことも併せて検討します。

設備の更新リスク

特に中古物件を購入する時には、付属設備の更新を短い期間で行わなければならないことがあります。

また、予期せずに機器が故障してしまうということもあります。設備の更新費用が大幅に計画を超えてしまうと、キャッシュフローが赤字になってしまうでしょう。
標準的な設備更新時期に従って計画を立てておくことで、将来の支出予測ができ、突発的な更新にも慌てることなく対処することができます。

不動産経営リスク回避・対処の方法

不動産経営リスクには予測できるものと予測できないものがあります。空室リスクや建物の老朽化リスクについてはある程度損失の程度が予測できますので、資金計画に織り込んでおくべきです。

一方で、台風などの風水害や大規模火災、大地震による被害は、いつ、どの程度の損失が発生するのか予測がつきにくいものです。このようなリスクについては、保険・保証での対応を検討するのがよいでしょう。

余裕を持った資金計画

不動産経営において余裕を持った資金計画、キャッシュフロー重視の経営は、最も重要なリスク対策です。
空室リスク、修繕リスクなど、一定のリスクはあるものだということを前提に資金計画を立てておきましょう。

将来的に支出する可能性のある資金は積み立てておき、むやみに使ってしまわないことです。

保険・保証の加入

火災や自然災害による居住者の家財に関する損傷は居住者自身が火災保険に入りますが、建物躯体・屋根の損壊や漏水などオーナー所有部分の損傷についてはオーナー自ら火災保険に加入します。

付帯特約で、建物に起因する第三者へのけがなどを補償する損害賠償責任保険や、事故物件になった場合の家賃減少に対する補償保険、火災や風水害で建物を修繕しなければならない間の家賃保証保険などさまざまな補償が用意されておりますので、併せて検討してみるとよいでしょう。

不動産経営は信頼のおけるパートナーと行う

安定した不動産経営のためには、たくさんの事例を経験している専門家の助言が必要です。
キャッシュフローや税金に関することをFPや税理士に相談したり、定期的に建物診断を受けて損傷が小さいうちに修繕しておいたりするなど、リスクが顕在化する前に対策を講じておくことが大切です。

専門家のサポートを得ながら不動産経営を行うことが成功への近道といえるでしょう。

このブログを書いた人

コンスピリート・ブログライター
コンスピリートの公式ブログライターが 不動産に関するお役立ち情報をお届けします。