今回は、前回の続き、不動産民法について解説します。

爆笑!法務省が債権法改正のマンガを公開

2020年4月、民法の大改正が行われ、新しいルールが施行されました。
ここでは
約款に関する事項、
不動産賃貸に関する事項、消滅時効に関する事項、
保証に関する事項
について今までのルールが大きく変更されています。

これを一般の人に周知させるために法務省が用意したのが
桃太郎と学ぶ民法(債権法)のルール」です。

改正法の内容がわかりやすくマンガで説明されているのですが、
これが爆笑モノ。鬼が作った約款にサルが騙されて大損をしたり、
鬼ヶ島に行ったときのホテル代を桃太郎がイヌやサル、
キジに貸し付けていたことについて三者が消滅時効を主張したりと
奇想天外なストーリーが繰り広げられます。

不動産に関する事項についても、
借主の責任についての話が取り上げられています。

ここでは、桃太郎所有の借家を住人の犬とサルのけんかで
傷だらけにしてしまったときに敷金はどうなるかという点について
桃太郎とキジのやり取りが展開されており、
「これは通常の使用で生じるものではないので借主負担」
と結論付けられる始末。
法務省がつくったとは思えない内容になっていますので、
皆さんもぜひ読んでみてください。

(法務省ホームページ 桃太郎と学ぶ民法(債権法)のルール)

宅建試験でも狙われやすい改正法

改正法については、改正直後において試験に取り上げられることは少ないですが、
改正されてからしばらくたった時に狙われる傾向があります。

今回の改正法においても、約款の内容や保証契約の改正、
不動産賃貸における借主の責任の範囲の限定や
敷金の原則返還をみとめた条項については
いつ試験に出てもおかしくない条項ですので、
ぜひチェックしてみてください。

まとめ

民法は身近な法律だけに、さまざまなシーンで取り上げられます。
不動産の購入・賃貸、住宅ローンの利用などは
それぞれ、売買契約、賃貸借契約、金銭消費貸借契約と
民法の条項に従って契約書の条項が規定されています

しかし、今回紹介したような判例のように、
民法をそのまま適用していると実態に合わないような事態が生じます。
また明治時代に制定された民法のルールが
現代の経済社会に合わなくなっていることもしばしばあります。

そのため、民法の一般条項(信義則、権利濫用、公序良俗違反など)
を適用して解釈を修正したり、今回の大改正のように
ルール自体を変更したりすることが必要になってくるのです

皆さんも原則と例外、解釈の変更に気をつけて
民法を学ぶことでより理解が深まると思います。

 


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このブログを書いた人

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